高性能住宅って、良いのはわかるけど、お客様には伝わりにくい」…こう感じたこと、ありませんか?
地域密着型の工務店経営者の方なら、きっと一度は悩んだことがあるはずです。
実際、「断熱等級6や7の家は素晴らしい」と伝えても、お客様の反応はこんな具合。
「でも、その分ローンが高くなるんでしょ?」
「光熱費が安くなるっていうけど、どれくらい?」
こうした疑問にしっかり答えられるかどうかが、高性能住宅の提案が成功するかどうかの分かれ道です。
本記事では、実際に現場で使える「伝わるコスト比較」の方法を、営業トークではなく“仕組み”として解説します。
工務店の集客力と提案力を強化したい方は、ぜひ最後までご覧ください。
高性能住宅は“高い”のか?本当のコストの見方とは

ポイントは「住宅ローン+光熱費」の合計
お客様が最も気にしているのは、「月々、いくら払うのか」というリアルな支出です。
つまり、建物の性能そのものではなく、毎月の家計にどう影響するかが重要な判断材料になります。
ここで使いたい考え方が、
「住宅ローン+光熱費=本当の月々支出」
という視点です。
たとえば、断熱等級6レベルの家にすることで、冷暖房の効率が劇的にアップ。
ZEH水準の省エネ性能を確保できれば、月に1万円以上、光熱費が下がることも珍しくありません。
つまり、たとえ月々のローン返済が5,000円上がったとしても、それを上回る金額が光熱費の削減分でカバーできるわけです。
お客様は“数字”で納得する
こういった話をすると、「へぇ、そうなんだ」で終わるお客様も多いですが、それだけでは心が動きません。
そこで有効なのが、**シミュレーションによる「見える化」**です。
たとえば、
- 現在のお住まいでの平均電気代(例:月2.5万円)
- 高性能住宅に住んだ場合の予測電気代(例:月1.2万円)
- 差額(月1.3万円)の年間インパクト(年間15.6万円)
といった形で提示することで、お客様もリアルにイメージできます。
数字で示すことで、**「住宅の性能=家計のメリット」**という構図が伝わるようになるのです。
実は「断熱だけ」では不十分。トータルで考える性能の話
工務店が高断熱住宅を提案する中で、よく聞く悩みがあります。
高性能住宅を提案するうえで、多くの工務店が誤解しがちなのが「断熱材の性能=住宅の性能」としてしまうこと。
ですが、これはあくまで一要素に過ぎません。
01
断熱材の「質」と「厚み」
性能表示だけでなく、実際にどんな素材を使い、どれだけ厚く施工するかによって断熱効果は大きく変わります。
お客様には「グラスウール32Kを100mm入れてます」と言っても伝わりません。
むしろ「魔法瓶のように、外の暑さや寒さを中に伝えにくくしています」といった体感に近い比喩が効果的です。
02
気密性(C値)は快適さのベース
いくら良い断熱材を使っても、家の“すき間”が多ければ、冷暖房効率は落ちます。
C値は数値で管理できる指標なので、**「C値1.0以下を目指しています」**といった実績を数字で示すのも安心感につながります。
とくに寒冷地や湿度の高い地域では、気密性の重要性はお客様にも伝わりやすいポイントです。
03
換気システムの選定と施工タイミング
第三種換気と第一種熱交換換気では、冬場の室温維持に差が出ます。
ローコストに見えても、結果として暖房費がかさむ設計では、本末転倒です。
工務店としては、「年間通じて空気がきれいで快適な環境を維持するには?」という視点で提案できるかが、信頼されるパートナーになれるかどうかのカギになります。
コスト比較が“営業トーク”になってしまう工務店の共通点

高性能住宅の価値が伝わらない理由のひとつに、「売るための話」と思われてしまうという営業的な伝え方の限界があります。
ここを突破するためには、営業トークではなく、“お客様の生活の視点”で話すことが大切です。
たとえば…
断熱等級6なので、性能が高いです
毎朝の暖房をつけっぱなしにしなくていいので、冬でも布団から出るのがラクになります
光熱費が安くなります
毎月の電気代が1万円下がれば、その分を家族旅行や習い事に回せますよね
こうした、“生活の変化”に結びつける言葉選びが、お客様の心を動かします。
工務店として今できる「高性能住宅の伝え方」3つの実践ステップ
ヒアリングで「現状コスト」を引き出す
提案の前に、お客様が「今どれくらい光熱費を払っているか」をヒアリングしましょう。
スマホで明細を見てもらって、その場でシミュレーションするのも効果的です。
資料や動画を活用したビジュアル化
口頭説明だけでは伝わらないので、簡単なグラフや図解付きの資料を用意しておくと◎
最近では、営業トークをスマホで動画にしておき、商談時に再生するという工務店も増えています。
“体感”できる構造見学会・完成見学会の活用
数字や説明も大事ですが、やはり最も説得力があるのは「体感」です。
- 夏の見学会でエアコン1台なのに涼しい
- 冬の朝でも室内がほんのり暖かい
こうした経験が、お客様の“納得”を生みます。
まとめ:伝えるのは「性能」ではなく「暮らしの変化」

高性能住宅の提案は、単なる住宅スペックの話ではありません。
「月々の支払い」や「家族の暮らしの質」まで含めて、お客様と共有できてこそ、選ばれる工務店になれます。
- ポイントは「住宅ローン+光熱費」のトータルで比較すること
- 数字と生活の変化をセットで伝えること
- 構造・気密・換気の“仕組み”を整えること
これらを踏まえて提案できれば、「ちょっと高いけど、それ以上の価値がある」と納得される提案が可能になります。

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