「一生懸命に説明したのに、なぜか断られる」
「見積もりを出したら、それきり連絡がない」
「競合に流れてしまった理由が分からない」
こういった営業の悩み、地域密着でがんばる工務店の経営者さまからよく聞かれます。
実際に私たち日本ビルダーズでも、これまで数多くの工務店様の営業改善に携わる中で、共通して見えてきた課題があります。
それは、「営業=売り込むこと」と思い込んでしまっている点です。
今回は、実際の営業支援現場で成果につながった“選ばれる営業”のポイントを3つに絞ってお伝えします。
大切なのは、小手先のテクニックではなく、「信頼される姿勢」です。
「共感」と「傾聴」から営業は始まる

私たちが工務店の営業研修で最初にお伝えするのが、「売る前に、聞くこと」です。
「このお客様には、この商品が合っている」
「性能や価格をきちんと説明すれば納得してくれる」
そう思って話していても、なぜか響かない…という経験、あるのではないでしょうか。
実はその前に、お客様が「何を望んでいるのか」「どこに不安を感じているのか」をしっかり聞けていないケースが非常に多いのです。
工務店営業における“聞く力”の重要性
家づくりの相談に来るお客様が、本当に知りたいのは「間取り」や「価格」よりも
- 今の暮らしの不安を解消できるか
- 将来にわたって安心して住める家なのか
といった「人生設計」に関わる部分です。
そこでまず必要なのは、「家を建てたい理由」を丁寧に聞くこと。たとえば、
- 「今のお住まいで不便に感じていることはありますか?」
- 「将来的にご家族でどんな暮らしをしていきたいですか?」
といった質問から入ることで、お客様の本音に近づくことができます。
この“共感と傾聴”の姿勢が信頼を生み、その後の提案も前向きに受け止めてもらいやすくなります。
「売る」のではなく、「導く」営業スタイルへ
次に大切なのが、「押し売りをしない」こと。
私たちの支援先でも、よくあるのが「提案したら、あとは契約を迫る」というパターン。
ですが、今の時代のお客様は、自分で調べ、比較し、納得して決断したいという意識が強い傾向にあります。
そのため営業担当者に求められるのは、“売る”のではなく“導く”姿勢です
質問で「気づき」を促す営業へ
お客様が「この工務店にお願いしよう」と思う瞬間は、“納得”したときです。
その納得感を引き出すには、「この人は自分のことをわかってくれている」と思ってもらうことが重要。
そこで役立つのが、“気づきを促す質問”です。たとえば、
- 「なぜ平屋に興味を持たれたのですか?」
- 「どんなときに“快適”だと感じますか?」
といった問いかけは、相手の内側にある価値観を引き出します。
営業トークは減らして、会話の中から“お客様自身の答え”を引き出す。
そんな営業スタイルが、選ばれる工務店になる第一歩なのです。
「感情に届く提案」で心を動かす

最後に、営業資料やプレゼンで特に意識していただきたいのが、「ストーリー性」です。
いくら高性能な家を説明しても、図面や数値だけではピンとこないという方も多いのが実情です。
そこで効果的なのが、「実際に建てた方のストーリー」を添える提案です。
ロジックだけでなく、“実例と感情”を伝える
たとえば、以下のような具体的なエピソードを盛り込むことで、お客様の共感が生まれます。
「○○町にお住まいのK様は、お子さんとの時間を大切にしたいと平屋をご希望でした。
当初はスペースに不安がありましたが、中庭を取り入れた間取りで“家族が自然と集まる暮らし”を実現。
今では“週末に家族で料理を楽しむ時間が一番の幸せ”と話されています。」
このように「○○さんのような方も、こんな悩みを持っていて、こんな解決策で満足している」という構成は、非常に効果的です。
SNS投稿・営業資料・HPの事例紹介など、あらゆる場面でこの“ストーリー型提案”は応用できます。
データや仕様に加え、感情に訴える要素をひとつ加えるだけで、提案力は大きく変わります。
【まとめ】営業は「売る力」より「信頼を築く力」

私たち日本ビルダーズが日々の支援で感じているのは、成果を上げている工務店ほど、“売り込み”よりも“信頼関係づくり”を重視しているということです。
最後に、今回の3つのポイントを振り返ってみましょう。
01
聞くことから始めよう(共感・傾聴)
お客様が語る「家を建てたい理由」にしっかり耳を傾けることで、提案の軸が明確になります。
02
売らずに導こう(質問で気づかせる)
押し売りではなく、会話を通じて「自分に合った家」だと感じてもらえる営業スタイルを目指しましょう。
03
感情に響く提案をしよう(ストーリー設計)
数値や機能の説明だけでなく、事例やエピソードを通じて“共感”を呼び起こす提案が鍵です。
お客様の心を動かすのは、テクニックよりも「この人に任せたい」と思える信頼感です。営業に迷ったときこそ、原点に立ち返り、“信頼を積み重ねる営業”を意識してみてください。

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